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季刊文芸誌「Li-tweet」(7月号) - 日居

2013/04/07 (Sun) 22:03:56

隔月刊文芸誌「Li-tweet」7月号に掲載されている作品に関する感想、意見、批評をここにどうぞ。

外部の方も気軽にどうぞ。

※上記以外の内容の場合は消去します。あしからず。

日居月諸「力強く暴力的な愚か者によるフォリア」について - イコ

2013/07/20 (Sat) 21:03:28

小野寺作品もそうだったけれど、冒頭がすばらしいと思う。「dance」と「dunce」の違いから入り、主人公「俺」をひとりの特別な愚か者に仕立て上げている。さらに「俺」は、ベッカムの小論文を書いているらしい。なんだそれ、なんでベッカムなんだ、本当に載ってるし、と爆笑。

ベッカム史のパートは、出だしがどれも秀逸で、先を読みたくさせられる。よく工夫されていると思う。けれどこの主人公は「小論文」という言葉をはき違えているように思った。

レイカという人物は最後までどういう人なんだかよく分からなかった。レイカと俺のかわす冗談は、あまりセンスのよいものとは思えず、退屈さの奥に何かが覗いてくればよいのだけれど、最後までただ滑っているだけのようにしか思えなかった。

興味深いのは、たびたび出てくる注釈が、ベッカムパートだけでなく、「俺」パートにも表れることである。おかげで小論文(?)と小説を切り替えて読んでいた自分としては、根底を突き崩されたようだった。そういう試みについては、非常に現代的で面白いと思うのだけれど、まだ解釈をもてずにいるので、どのようにみなさんがとらえているか、意見をうかがいたい。

読み終わった後に、ベッカムパートと「俺」パートが通底器的(リョサ)に交互に出てくる効果について、もう一度考えなければならないと思った。

小野寺那仁「酒茶漬けの味」について - イコ

2013/07/20 (Sat) 20:47:39

冒頭からふたつの謎が提示され、この世界に対する興味が湧くように仕掛けられている。

ひとつは酒茶漬け事件。ひとつは泥棒事件。簡単に解決されない謎を冒頭に提示することで、細部を読みこもうとする読者の自発的な意欲をかき立てるし、寮の信用ならない雰囲気を醸し出すことにも成功している。

冒頭、金を盗まれたと喚き立てる劉の長台詞によって、この世界のもつ独特のリズムにハマってしまった。冒頭に会話があることの良さというものを考えてしまう。話に入りこみやすい。

このような寮の雰囲気は、現代にもあるよなあ、というのを感じながら読んでいた。数年前まで自分が通っていた地方大学の学生寮が、まさにこんな感じで、後輩は初日から「通過儀礼」を迫られ、小さな、しかし絶対的なヒエラルキーの中に組みこまれる。細部もよく書きこまれており、マジシャンのベッドが汗ばんでいるところなど、臭いまで伝わって来るようで、ものすごくリアルな小説だと感じた。

文体のユニークさが、さらに雰囲気を醸し出す。

『めりめりめりとゆっくりと吉野の身体は壁に吸い込まれていき、やがて隣の部屋にまで壁を抜けて侵入していった。』

大爆笑しました。なんですかこれ。なんでここだけスローモーションな感じなんですか。でもこの小説世界においては、こんなアホな文章も特別に許されてしまう、そんな気がしました。

総じて、たいへんおもしろい作品だった。6さんの希望と違うんだけれども、この作品を、もっと長く読みたいと思う。25枚の欠落がもったいない。200~300枚くらいあれば、さらにおもしろく読めると思う。無駄っぽいエピソードも大事そうなエピソードもごちゃごちゃに織り交ぜ、この寮の人々の生態を、徹底的に描きまくってほしい。意味はなくても文学であると思う。

Re: 季刊文芸誌「Li-tweet」(7月号) - 6

2013/07/19 (Fri) 18:43:09

『酒茶漬けの味』
大学の寮の堕落した雰囲気を「酒茶漬け」という小道具で表現しているに面白みを感じました。莫言も『紅い高粱』で同じようなことをしていました。
登場人物もキャラクターがしっかり作られていて、魅力的でした。熊南が何だかおかしくつぼでした。PDF5Pの童貞、包茎をめぐる一連の会話はそれ自体面白いものでしたが、誰がしゃべっているのかを脚本のように上に書いてしまうのはどうかと思いました。そこを頑張って書くところに小説の腕の見せ所があるような気がして。
また文章や会話の面でこれまでの小野寺さんの作品よりも洗練されていたと思います。
小野寺さんの作品に描かれる小さな世界と言うのは凡庸な世界でありながらもどこか(良い面での)虚構の雰囲気を湛えていて、そこが特長でもあるのではないかと今回の作品でも思いました。
しかし『オウンゴール』にも感じましたがこれほどの長さが必要なのか、という疑問があります。たしかに個々のエピソードは面白いと思えなくもないのですがそれがあるとないとので小説の雰囲気を分けるかと考えた時に、これはなくてもいいのではないかいうものがある気がします。
この長さによって保たれている雰囲気はあると思いますが、それぞれのエピソードが有機的に小説にからまってほしいと思いました。スケッチしていくことは大切ですがやはり物語を意識すると言うのも重要なことではないかと思います。

Re: 季刊文芸誌「Li-tweet」(7月号) - 6

2013/07/19 (Fri) 18:08:54

『セキレイの心』
短歌を表するとはどういうことなのか分からなくなり、近くにあった塚本邦雄の本を開いてみたけど余計に判らなくなってしまった。
詠み手は山陰地方の豊かな風景や自然の音を、この短歌のなかに吹き込んでおり、うつくしい写真と共に読むことができるから作者が詠んだ時の心象を追体験できるようでもあった。写真がなければ意味が伝わりにくい歌もあったと感じるので写真は掲載してもらいとてもよかったと思う。
句を実際に読んでみると一色で描かれた絵ではなく、屈折やつまずきを短歌のなかに取り入れているから「転調」が小気味よく生まれており、31文字のなかでそういったものを取り込んでいるのは評価したい。
次に詠むときには古語的なものを使わずに現代語で詠んでほしいと思った。

Re: 季刊文芸誌「Li-tweet」(7月号) - 6

2013/07/19 (Fri) 17:57:50

『力強く暴力的な愚か者によるフォリア』

ドゥンスのパート、ベッカムのパートが順番に出てきて、それぞれのパートが面白い。
文体や雰囲気も区別ができていて、両パートがしっかりと立っていたと思う。人間関係の描き方や中心とする人物の個性の出し方などが上手く参考になった。また小エピソード(ゾウリムシの話など)も光っており、小説として間延びしていた印象は受けない。
しかしどうしてこの二つをつなげたのか、については良く判らなかった。
とくにベッカムのパートが伝記的な語り口で、ベッカムのプレーヤーとしての半生を詳述されて読み応えがあり面白かったのだが「なぜベッカム?」という疑問が先にたった。
「君とハナシがしたい」という特集との関連についても、読んでいて気が付かなかった。あと、グルークとグリークと表記ゆれが起こっていませんか。別人物か。

7月号校正担当(予定) - 日居

2013/06/08 (Sat) 21:46:24

特集:尾崎(日居)
   常磐(緑川)
   うさぎ(カヅヤ)
   日居(Rain坊)
   緑川(とーい)

エッセイ競作、テーマ「電話」:
   あんな(常磐)
   安部(小野寺)
   うさぎ(カヅヤ)
   日居(Rain坊)

自由:尾崎(日居)
   とーい(イコ)
   イコ(6)
   小野寺(安部)

連載:常磐(あんな)

Re: 季刊文芸誌「Li-tweet」(7月号) - 日居

2013/05/19 (Sun) 22:17:01

○6月定例会決定内容
締切6月16日(日)
第一次校正6月17日~23日
第二次校正24日~30日
原稿回収(締め切り後、第一次、最終):小野寺


・校正担当
6月8日(土)に6月定例会(ホスト:日居)を行い、校正(編集)担当を決める
6月8日~16日編集期間


・原稿回収後
7月1日~7日宣伝期間、HP編集期間

原稿掲載方法:基本作者の専用項目に直貼り(枚数が多い場合、導入部分を直貼り、並行してPDFをアップロードなど)
HP掲載:基本編集部。個人が申し出て編集も可能。

Re: 季刊文芸誌「Li-tweet」(7月号) - 日居

2013/04/07 (Sun) 22:57:03

4月定例会提案内容
・宣伝ツイートにHPへのリンクを張るかどうか(それに伴うツイート字数制限の対策として、宣伝は2ツイートなど規約を拡張するかどうか)

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