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隔月刊文芸誌 「Li-tweet」 (2月号) - Rain坊

2013/01/06 (Sun) 22:16:02

隔月刊文芸誌「Li-tweet」2月号に掲載されている作品に関する感想、意見、批評をここにどうぞ。

外部の方も気軽にどうぞ。

※上記以外の内容の場合は消去します。あしからず。

「ストレインヂデイズ」感想 - カヅヤ

2013/04/21 (Sun) 20:39:01

[ストレインヂデイズ]感想
面白かったです。
世界がおかしくなり始めるあたりから、一気に惹きこまれて、早く続きが知りたいと思いながら読み進められました。
が、全体的に、展開が唐突で、唐突なこと自体よりも、主人公の順応が早すぎて「もっと他に突っ込むべきところが」と感じる点が多かったです。

・兄と名乗る人物に対しての怒り
そもそも不条理な状況に対しての戸惑いが先にきそうなのに、男の言うことを受け入れて、なおかつ「男が自分とミズホを引き裂こうとしている人」というごくごく現実的な認識で食ってかかっている。
また、愛おしい存在だったということは、頭では理解できるのですが、その台詞がから回っている感じがしました。

そもそも、ミズホが失われてそっくりさんが現れて電話がかかってきて…というぶっ飛んだ設定なのに、主人公の逡巡が最初だけで終わってしまうので、主人公の順応速度についていけない点がしばしば。

ちょうど先日三人称と一人称の話がありましたが、自分は、この話は三人称の方が読みやすいように感じました。主人公の滑稽な行動や、全体的に唐突な展開は一人称で書かれてしまうと入りこみにくく、語り手と主人公とに距離があった方が読みやすいのかな、と。
(分かりにくいと思いますが、「走れメロス」が一人称だったら、多分読みにくいのではと思うのです。あれぐらいの距離感の三人称で、語り手が冷静に主人公を説明する形の方が、すんなり読み進められるように感じました。)

と、ツッコミばかりになってしまいましたが、設定やストーリー構成はすごく面白いので、続きを心待ちにしています。

Re: 隔月刊文芸誌 「Li-tweet」 (2月号) - カヅヤ

2013/03/10 (Sun) 21:53:40

小野寺さん作品の感想

風景描写や雰囲気、空気感好きです!
発表前の振りのせいで、何が来るんだとドキドキしとりましたが、祭りの前の雰囲気だとか、火が燃え広がる感じだとか、人が逃げ惑う感じだとかが、小野寺さんの淡々とした文体にマッチしていて、ワクワクしながら読めました。

が、台詞や、真央の「復讐」の動機に対して違和感やもやもやが。
わざと、なんだろうか、これが味なんだろうか、と思いつつも、自分には台詞が異様に間延びして見えて、地の文で感じた緊迫感が途切れてしまいました。
あと山の手言葉…あえての標準語なのかな、とも思ったのですが、田舎の女の子たちが、現在では都会でもすたれてる山の手言葉を使って話す、というところに違和感が…。

全体的に、地の文は好き、台詞でもやもや、を繰り返しながら読み進めておりました。
いっそ全部地の文にしたものを読みたい…!

Re: 隔月刊文芸誌 「Li-tweet」 (2月号) - イコ

2013/03/03 (Sun) 00:14:57

全作合評に参加してみての感想。
やっぱ合評は楽しいし、勉強になる。
「分からん」は言いたくないが、「困ってた」作品の読みの手掛かりが得られた(とくにるさんの作品)。自作が合評されなくても、合評に参加する意義はあると感じた。

次に2月号の作品についての感想。

全作品共通して、言葉の選び方にもっと配慮すべきと感じた。読み手を意識しない「ぎこちない」日本語があふれていた。徹底的な推敲が必要だと思った。書いてから読みなおしのされない、ケアレスミスだらけのもったいないテストみたいだった。
書き手が精神的に安定していないのもよく分かった。不安な作品が多く、そういうものを読んでいると気が滅入ってしまった。そのぶん、とーいさんや小野寺さんの作品は貴重だった。常磐さんの作品はとても明るくてよかった。とかく暗くなりがちな雑誌のムードを、一作でぶち壊してくれた。

レビューはあまりおもしろくなかった。言葉は悪いんだけど、やっつけ仕事みたいに見えた。でもこういう試みはとても好きなので、次号以降もやってほしい。

特集は「特集らしさ」が足りなかった。小説以外の原稿もほしかった。自由投稿とのちがいがよく分からなかった。

あと電子書籍で巻頭詩って、むずかしいと思った。他のコンテンツと並列にされてしまうため、扉の役割をきちんと果たしているかは疑問。

こんなとこです。正直に書きました。

日居さん「横を向いたまま」 - 6

2013/02/18 (Mon) 22:35:14

冒頭のシーンでは目線についての描写があり、このシーンの意味を僕はまだ捉えられていなくて必要なのだろうかと思った。けれどそのあとの展開にはすごく驚いた。

大伯母の葬儀という極めて凡庸なある日を描いているのにそこから浮かび上がる一族の過去の書き方には驚くべきものがあった。

曖昧な表現と言う言葉で申し訳ないと思うけど、地の文も会話文もどこか核心をさけたような廻りくどい言い方で終始、描かれていてそこが何とも味わい深く読み応えがあった。

会話文と地の文の呼応というか会話文に入っても小説の勢いがたちきられることはなくてますます妙味をおびていき、また語彙の豊富さ、文末表現の豊かさにも舌をまき、とても面白い小説で二読目をしたいと思った。

うさぎさん「ストレンヂデイズ」の感想 - 6

2013/02/18 (Mon) 14:53:29

「ストレンヂデイズ」(うさぎさん)

展開の面では面白く、読み切り漫画のような爽快感があった。
小説よりも漫画やアニメのような想像力をつかって書かれた物語だと思う。「モテキ」の主人公のような一途さとか「千年女優」「秒速5センチメートル」のようなどこまでも好きなひとを追う物語を思いだした。でもその内実はただのセンチメンタルで終わるのではなく笑いや残酷さをみることができてよかった。

ミズホのお兄さんや佐藤・山田コンビがもう少し奥行きのある書き方で描かれるとよいとおもった。謎が多すぎて、ただの障害物としての役割しか持てていなかったと思う。またミズホ似のアイドルが死ぬシーンも唐突過ぎて、物語の欲望に登場人物がきちんとしたがっているようにしか読めなかった。
ミズホの兄が「学者らしき男性」「研究者風の男」「博士みたいな男」「白衣を着た男」と呼び方が代わりつづける必然性はどこにあったのかと疑問だった。ミズホとの関係性が明らかになってからは「ミズホの兄」でよかったのではないかと思った。

バットは佳い小道具になっていたと思う。それは草野球のシーンをちゃんと描いていたからなぜバットを武器に選んだのかと言うことが分かる。
全体的に前作「あまりある自信」よりも文章が幼くて、個人的には「あまりある自信」のような文体を好む。どうしても気になる文章としては<全記事掲載PDF9P>の
「そして、それが故に僕とミズホはプラトニックな関係を保っている。」
この一文は書かなくてもそういう関係を保っていることは明らかなのに書かれているのが気になった。「プラトニックな関係」という言葉を僕としてはあまり小説には使いたくない。個人的な感覚かもしれないけど。あともっと文章をそぎ落とすべきだと思った。書かなくてもいい形容とかが多い気がして文章が右往左往しているようだ。
あと冒頭でホームランを打つまでのバッティングの一瞬を描写した場面の「僕は」「僕が」「僕の」という「僕」が使われ過ぎているのも気になる。

Re: 隔月刊文芸誌 「Li-tweet」 (2月号) - 常磐 誠

2013/02/17 (Sun) 01:13:30

本日の合評、そして延期となった作品についても感想を述べて行きます。

「繭たちのさざめき」 崎本 智(6)さん
 愛おしい。美しいと思いました。クラースナヤ・プローシシャチという単語、宇宙を思わせる浮遊間や描写。ロシア? 宇宙? そういう雰囲気を感じて、ふわふわしているのに切なくて。素敵でした。宇宙の知識なんてせいぜい『リトバス』のクドリャフカ絡みしか持ち合わせてませんが(笑)。
 宇宙とか、浮遊間とか、ふわふわとか。そういう雰囲気を感じさせていた中で、『メモリ』のようなデジタルな言葉がちょっとだけ引っかかりを感じさせちゃいました。僕の中で。

「ストレンヂデイズ」(50枚) うさぎさん
 校正の担当者として、最初に読ませていただいた時に、少し言葉の使い方とか、細々した部分の指摘でものすごいツッコミ所が増えてしまい、それを一つひとつつぶす作業も大変だったろうと思います。お疲れ様です。滅茶苦茶良くなったと思います(何様、的な発言ですが……)。
 緑川さんが既に挙げているポイントは、僕の場合、『ま、伝われば良いよね』とか、『そういうことも、あるよね』とか思ってスルーしました。ただ、『住所知ってたんだ……』という違和感があったことだけは指摘を。山田さん佐藤さんはどうせ偽名だし、降って湧いててもまぁそれも『ストレンヂ』だと思いました。僕は。
 僕がもう一点指摘するとしたら戦闘シーンですが、まだ練り込みが必要じゃないかと思います。特に二回目。打ち勝つ方です。感情移入ができなかった、というか、わかるんだけども、あれ? こういう展開って、できるかな? みたいな。もろに食らい過ぎてる気が。これでどうして立てた。主人公よ。という違和感をものすっごく感じました。
(あと、電話の彼女。二章以降で明らかになるんですよね?(笑))

「帰省」(11枚) とーいさん
 シンプルイズベスト! という言葉がピッタリくる作品で、大好きです。うわ泣きそう。みたいな。読んでいてそんな感覚になってきました。夢の中身とか、色々細かいことを書かずに家族のやり取りだけ追っていくことで、妙な勘ぐりをせずにすむのも、シンプルさに拍車をかけてなおよかったと思います。(それが万人に良いと言えるかは置いておいて)
 特別にここが気になる、どうかな? という点が見当たらないので困るのですが(笑)、良かったです。

Re: 隔月刊文芸誌 「Li-tweet」 (2月号) - 緑川

2013/02/14 (Thu) 22:22:36

 読みやすい文章で、最後まで難なく読めました。
 そこは、うさぎさんの長所だと思いますが、本作品について言えば、もう少しプロットを丁寧に組まれた方が良いかなと。

 たとえば、彼女と昼しか会えなければ関係を結べないのかなとか、電話の彼女はいったい誰なんだろう? とか。ラストで、僕はミズホのマンションを訪れますが、それ、最初にミズホと連絡が取れなくなった時点でやることではなかろうか、とか。

 あと、「簡単に言えば全世界の女性のオリジナルで特別な人間」という存在が、少しも簡単でなかったり(^^; 白衣の男と山田さん、佐藤さんも降ってわいたようで、読んでるうちは面白いのですが、読後に釈然としなささが残ります。

 最後まで文章がぶれずに、ストーリーに読者を引き込みつつ読ませるのは、繰り返しますが長所だと思います。私はここのところがなかなかできません。
 だからこそ、お話の組み立てを、もっと……などと思ったりします。

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